私案「三位一体の財政改革」2003年9月16日

今の閉塞感の最大の要因は将来不安である。
将来不安の最大の要因は年金問題と財政赤字問題である。
今の国の財政状況では、将来、年金はもらえないのではないか。
少子高齢化で、子供たちの負担は大変なことになるのではないか。

国の収入は約42兆円、支出は約80兆円。
それに加えて、国地方合わせて既に約700兆円の借金を抱えている。
一般の家計や企業だったら、必死になって、収入を増やして支出を抑えるはず。
ところが、この期に及んでデフレ不況で収入を減らしてしまっており、肝心な支出は利権を維持するために一向に減らない。
慌てて医療費値上げに発泡酒・たばこ増税。これが今の政府の政策。

根本的に財政構造にメスを入れなければ、財政出動の余裕がもはやないことは議論の余地がない。それにもかかわらず、自民党総裁選では、相変わらずの緊縮財政か積極財政かの議論。それが如何に意味がないことか。増税をしなければ、財政収支をプラスマイナスゼロにするには、GDPは今の500兆円よりはるかに上の800兆円から1千兆円位は必要になる。積極財政をやればよいという水準ではない。支出削減と景気回復策と収入増加策の三位一体の議論をするべきだろう。

そこで私案。支出を大胆に65兆円まで減らす。景気回復で収入を50兆円まで上げ、足りない10兆円部分は増税をお願いする。
支出の削減は、政官業癒着を廃し無駄な公共事業を中止し、談合・天下り・見返り政治献金や政治家家族への不当キックバックを禁止すれば、5兆円は十分減らせる。ただし、これは、政権交代で利権構造をぶっ壊さないとできない。土木利権屋の代表である青木さんに支えられることになる小泉内閣では無論無理。
支出削減の大きな柱のもう一つは、行政経費である。特に、殊法人従事者も合わせれば400万人・40兆円公務員人件費は膨大である。規制緩和や手続き簡素化により業務量を減らし、地方分権により役所間交渉の無駄などを排除することで、1業務量あたりの人件費単価は一定としても10兆円は出てくる。自然減を活用して5年でできるだろう。手続き簡素化、規制緩和は、役所への手続きで悩まされる民間側の成長やコスト削減にも大いに役立つことは言うまでもない。
景気回復は、利権破壊、規制緩和、手続き簡素化を一気に行い、新しい時代の重点投資分野に国家の総力を挙げて投資をする。投資手法は、PFIなどのプロジェクト金融を活用し財政支出をなるべく抑制する。重点投資分野は、今までおざなりだった大都市インフラ整備と将来不安除去のための福祉施設(特に保育・介護・医療)の充実、そして、近い将来必ず起こるエネルギー危機と環境問題への対応としての天然ガスインフラの整備などが挙げられる(エネルギー・環境革新詳細については後日のコラムに掲載予定)。
何れにしても、本格的な景気回復・日本経済再生のためには、政治の明確な意思表示とグランドデザインの提示が必要であり、それにより「新時代の胎動エネルギー」を引き出すことが重要である。
最後に、税制改革。将来の人口構成や年金福祉支出の増勢を考えれば、やはり若い世代に負担が集中しないよう消費税の比率を高めてゆく必要がある点は間違いない。公平性・逆進性の問題などを考慮すれば、累進税率を備えた税にする必要もあろう。当面は、贅沢品に高税率を適用することになると思うが、長期的には、複雑な所得税体系を抜本的に改め(給与・配当・利子・不動産などの所得税や相続・贈与税廃止)、年間トータル消費支出に累進税率を適用する「支出税」に一本化するのがベストだと考えている(長くなるので、日を改めて詳述したい)。


 
 
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