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2004年4月25日、民主党は敗北した。
埼玉8区、広島5区、鹿児島5区で行われた衆議院補欠選挙の結果だ。
3選挙区とも過去最低の投票率だった。いずれの選挙区も自民党議員の辞任・死去を受けたものであり、民主党は議席を減らしたわけではないが、自民党議員の逮捕・辞任を受けての「追い風」が吹いた埼玉8区でさえ勝利できなかったという点で敗北であることに変わりないだろう。
では、何故、これだけ失政を重ねているにもかかわらず、自民党は負けないのだろうか。
昨秋の総選挙、広島5区の補欠選挙を通じて思ったことを次の5点に集約する。
1. 公明党票の影響
言わずと知れた創価学会の組織票の影響である。今回の補欠選挙でも、公明党支持層の90%以上が自民党候補者に票を投じている。埼玉、広島は公明票にやられたと言っても過言ではないだろう。そして、この創価学会組織票はほぼ確実に投票されるので、投票率が下がるほど影響力が大きくなる。創価学会の方々が自由投票を行えば、相当数の自民党議員は落選し、政権交代は実現するだろう。自民党はもう抜け出せない。
2. 強固な「現世利益」地盤
第2は、自民党は、「現世利益」で結びついた強固な地盤をもっているということである。簡単に言えば、改革すると困る人たち=既得権益者である。民主党には、この「現世利益」の結びつきがほとんどない。投票率の低い選挙では、この「現世利益」が残念ながらものをいう。自民党に世襲が多いのは、世襲する当事者の問題だけでなく、周囲が世襲候補を立て「利権」を継承させようとする傾向もある。「カネ」と「利権」(有利な状況の不公平な継続)が絡むので、民主党の支持者より必死なのである。政権与党の立場を利用し、圧力をかけることもままある。利権のない一般市民は浮かばれない。
3. 低投票率
自民党政権が失政や腐敗を重ねれば重ねるほど、政治不信から投票率が下がってゆく。また、低投票率が上記の公明党票と自民党型利権地盤によって自民党政権を生き永らえさせれば、有権者に「あきらめ」の感覚を生じさせ、さらに投票率低下を招く。悪循環である。自民党政治が悪い政治を行えば行うほど、投票率低下を通じて自民党が勝ってしまうのである。
4. 改革の幻想・民主党への不安
小泉政権になってから、如何にも自民党政権が改革者のごとくふるまっていることから、自民党があたかも「改革政党」であるという幻想を抱かせている点も自民党を勝たせる要因となっている。「大改革をしなければいけない」原因を作ったのは自民党と官僚であるにもかかわらず、うまく改革の幻想を植え付けているのである。小泉・安部連合によるパフォーマンスによって、小泉内閣の改革イメージが植え付けている。実際には、小泉内閣になってほとんど改革は進んでいない。道路・郵政の改革も進んでいないばかりか、官僚の天下りすら禁止できていない。一方、民主党への不安も地方を中心に根強いものがある。批判ばかりの、かつての社会党のようなイメージをもたせ、政権担当能力への不安を煽ることに自民党が成功している点も見逃せない。左右の対立が激しく、民主党自身がそのイメージを払拭できないでいることも、大きな反省材料である。善良な経済人との距離を縮めるなどの努力も必要であろう。
5. 先送りと手柄の横取り
そうは言っても、自民党政権は改革のふりをしながら、一旦は先送りし、政権を永らえさせている間に、どうにもならない状況を現出させ、利権を怒らせないように徐々に改革を進めている。野党やマスコミの意見などをうまく取り入れ、しばらく後に、利権集団を離反させないようにしながら中途半端に実現させている。野党やマスコミに騒がせておいて、不完全ながらも改革を実施し手柄を誇るのである。最近になって小泉首相が言い出した「議員年金廃止」などはその良い例である。また、経済の若干の回復は、民間企業の血の滲むような改革努力の結果であるが、政権の改革の成果にすりかえるなども典型例である。まさに「ヌエ」政党の自民党にしかできない厚顔無恥な芸当である。
要約すると、悪政を行えば行うほど投票率は下がり、公明党支持層の影響や自民党の利権地盤の影響拡大によって自民党が有利になる。一部無党派層についても、改革パフォーマンスと手柄の横取りなどの幻想植え付けによって、自民党に投じる。こうした自民党政権を継続させる構造により、自民党政権は継続しているのである。この構造を打破しないかぎり政権交代は起こらないし、政権交代がなければ真の改革は実現できない。「不投票者への罰則」や「世襲制限」など選挙制度を改革するにも、政権交代を一度はしないと実現しない。自公連立政権は、せっかく自分たちが有利な低投票率というメリットを手放すはずはないからである。
しかし、座して死を待つわけにはゆかない。ここまで、国民の負担を増やし将来不安に陥れ、自分たちの利権温存に躍起になってきた与党議員・官僚の責任は問わなければいけない。怖いのは、自民党政権が続き、のらりくらりの先送りと改革幻想を抱かされるうちに、有権者が「改革疲れ」から「真の改革」を行う前に安定を求め始めてしまうことである。この場合、問題は何ら解決するわけではなく次世代につけが回されるだけである。そうなる前に、何としても一度は政権交代を実現しなければならない。ここ1〜2年が勝負どころである。

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