『2004参議院選挙の意義
    〜自民党政治の終わりの終わり〜』2004年7月4日

国民不在、国会軽視の政治。
小泉政権は、国民の70%が反対する年金法案を強行採決し、イラクへの自衛隊の多国籍軍参加を国会の十分な審議なく閣議決定しました。かつてこれほどまでに傲慢な内閣はなかったのではないでしょうか。

各種の世論調査でも、あれほどの人気を誇った小泉内閣の失速が明らかになってきました。
本日のマスコミ調査では35%まで下がったという発表もありました。投票率が下がった要因は、なんと言っても年金法案の強行採決と出生率1.29の後出しジャンケン。そして決定的だったのは、自らのカラ勤務問題を指摘されたときに飛び出した「人生いろいろ」発言。これには驚いたひとは多いでしょう。国民に「痛み」を要求しながら、総理自身が一般の国民とかけ離れた恵まれた存在であり感覚の持ち主であることを暴露した一幕でありました。

人気が高く、期待が大きかっただけに失望も大きい。
私たちは、パフォーマンスにだまされていたのかもしれません。もともと戦略も中身もないのです。この3年半行われたのは、表面だけの改革、みせかけの改革だったのです。
天下りを温存した特殊法人の民営化。看板をかけ替えただけです。過去4度も厚生大臣を経験しながら、しかも政権を担当して3年を経過してもなお、年金や医療の抜本改革をしていないのですから、改革政権とはとても言えないでしょう。民主党が主張し、世間が反応してはじめて「年金一元化」の議論をしましょうでは話になりません。むしろ「不作為の罪」を問わなければいけないくらいです。議員年金にしても、民主党の河村たかし衆議院議員が言い出したころは、まったく無視しておきながら、今頃改革するポーズをとられても片腹痛いだけです。自民党お得意の手柄の横取りはそろそろ通用しなくなってきています。

改革は進んでもいないし、そもそもやる気もないとしか思えません。内政での「官僚依存」、外交での「米国依存」、そして選挙での「公明党依存」の政権です。自分の頭で考えないで、改革されては困る官僚機構に政策を丸投げしているのですから、官僚機構とその体制の組み換えを柱とする「構造改革」などできるはずがないのです。だから、天下りもなくならなければ、財政赤字も膨らむだけなのです。また、米国に追随するだけの、あらかじめ結論が決まった外交にしてもしかりです。公明党への依存は、小学生がポスターに書く「明るい選挙」とはほど遠いものです。

小泉政権は、これまで、支持率が下がったときは、何かしらのサプライズ情報を流し、パフォーマンスを行うことで、危機を脱し支持率を維持してきました。民主党・自由党合併発表とあわせた道路公団総裁更迭や、未納問題隠しの北朝鮮訪問などは「世論操作」に近いものがあります。しかし、もうその手は通用しないでしょう。曽我さんの家族再会ももはや「サプライズ」ではありません。支持率の劇的な上昇には結びつかないでしょう。

この参議院選挙は小泉内閣倒閣選挙です。自民党の青木参議院幹事長も、51議席を割れば内閣は総辞職すべきと発言しています。一気に政局が流動化し、衆議院総選挙なんていうこともあるかもしれません。自民党とそれに連なる『利権』に手をつっこみ、大して壊してはいないが、パフォーマンスによって「壊す世論」を醸成してしまった小泉首相を自民党は守らないでしょう。参議院選挙で自民党が敗北すれば、人気がなくなり『票』にもならない小泉首相は、自民党にとって不必要な存在でしょう。参議院選挙で民主党が勝てば、小泉内閣は、自民党によって総辞職に追い込まれる可能性が高いと考えております。

民主党が代表交代で世論の指弾を受けているのを良いことに、調子づいて「強行採決」をしてしまったのを後悔している自民党議員は多いと思います。それが証拠に、今回の選挙で、自民党サイドは年金の話はあまり積極的にしていません。下手に年金を争点にし、深手を負うよりは、静かにして、選挙自体を盛り上げないほうがよいと思っているのでしょうか。自民党の最大の選挙戦略は「低投票率」です。民主主義を冒涜したふざけた話ですが、1人当選を確実にしている多くの2人区では、争点をめぐる議論を避け選挙を盛り上げないようにしているようです。もうひとつの自民党の戦略は、自民党敗北の場合の小泉内閣総辞職というプロパガンダを流すことで、あとには小泉さん以上のひとはいないという危機感をあおることです。小泉首相が「かつて人気があったこと」と「自民党内の人材不足」を逆手にとった姑息な馬鹿げた戦法としかいいようがありません。

自民党最後の砦であった小泉政権の敗北は、自民党政権の崩壊に導くことになります。民主党と自由党の合併で、民主党を支持することに抵抗やアレルギーがなくなっている保守層も多くなっていることで、既に自民党支持の地盤が揺らいでいます。
利権を壊すことの重要性を国民に喚起してくれた小泉首相、最後にこの参議院選挙に敗北することで、国民人気を沸騰させた、あの公約を守ってくれることを期待します。「自民党をぶっ壊す!」

細川政権の成立から長かった「自民党ヌエ政治の終わりの始まり」期。やっと、「終わりの終わり」に向かっているような気がします。崩壊する体制の最後、歴史はたびたび「体制側の英雄」を登場させる。江戸最後の将軍徳川慶喜、ソ連最後の大統領ゴルバチョフ。そして小泉首相となるか、それは大いに期待し、そして裏切られた有権者がどう行動するかにかかっている。