◆許すまじ道路公団の橋梁談合
ついに鋼鉄橋梁業界に天下っていた道路公団OB、そして現役の副総裁が逮捕されました。どこまで広がるのか。一部報道によれば、橋梁工事のだけではなく、トンネル工事、道路本体工事についての談合が出てくるのではないか、そして道路公団の現役幹部のみならず、監督官庁である国土交通省幹部、政治家の逮捕にまで発展するのではとのことです。
国や地方の一般道整備も含めれば年間数兆円にのぼる道路建設費。談合の規模はこれまでの談合とはケタ違いになるはずです。
しかし、公益を担う立場にある公務員や特殊法人の役員が、職務上知り得た公的な情報(この場合、入札情報)を、自らの利益(この場合、天下り先の確保)のために利用していたというのですから、情けない話です。私たち国民の血税と道路通行料を食い物にし、私腹を肥やす道路利権を許すわけにはゆきません。
◆企業倫理の徹底を
談合は言うまでもなく法律違反です。法律違反の業界慣行は否定されるべきです。企業のコンプライアンス(法律遵守)はどこに行ってしまったのでしょうか。企業は社会的存在なのですから、まずは業界団体が率先して慣行を改めてほしいものです。業界が国民の敵にならないためにも。
◆談合の根絶のための天下り禁止を
それにしても繰り返される談合事件。なぜなのでしょうか。肩を寄せ合い生きてきた日本の文化・伝統だと言い切る人もいます。
しかし、国民の血税や道路通行料をピンはねするのは許せません。そうでなくても国家は、1000兆円の借金を抱え、年金も医療も破綻状態の火の車です。サラリーマン大増税も言われているのです。文化などと悠長な寝言を言ってられる状況に既にないのです。
官製談合の元凶は何と言っても天下りによる談合入札情報の事前流出です。公共事業を行う業者への天下りを完全禁止にすることで、談合の前提となる事前情報の流出を防ぐのが最も効果的でしょう。事前情報がなければ一致結束した談合はほぼ不可能になるはずです。また企業の方も高給を支払う必要がなくなり経費も確実に少なくなりますし、官からの天下り受入れ要請の圧力という精神的負担もなくなります。談合システム維持のための族議員への政治献金も不要になり社会全体のコストは大幅に低減します。
もちろん、議員の世襲を禁止し建設利権の継承を防ぐことや、官庁・特殊法人の受発注システムを見直す(「指名」という権力の入り込む隙を塞ぐ政策等)こと、談合犯罪の厳罰化も同時に実施する必要があります。
上の図が官製談合のメカニズムです。まず役所や特殊法人は業者に天下り受け入れを要請します。業者は入札情報を得るためもあり天下りを受け入れます。受け入れられた天下り役員は、役所や特殊法人時代の同僚から入札情報を得るのですが、役所や特殊法人の側も将来の天下りを維持するため比較的容易に情報を横流しします。そして業者は談合によって獲得された余剰利益の一部を、天下り役員の報酬や退職金として支払うのです。天下り役人の高額な報酬は、この官製談合システムを通じて私たちが支払っているというわけです。
こうして私たちの税金などが余計に、そして無駄に使われているのです。落札率などからの推定で談合により工事代金が約2割高くなる、つまり談合がなければ1億円の工事は約8千万円でできると言われております。年間で数兆円の余計で無駄な支出、これが何十年もの間継続しているのですから、累計では数十兆円の規模です。国や地方、公社公団の1千兆円を超える大借金の要因の一つとなっており、いずれ、私たち国民が税金だけでなく、道路使用料や資格登録料などの形で余計に支払わされるのです。
何度も何度も繰り返される談合。道路公団以外でも全国至るところで繰り返されているに決まっている官製談合はなぜ全体の解明がなされないのでしょうか。道路公団の、しかも鋼鉄製橋梁だけの特殊なケースだとは、ほとんどの国民は思っていないでしょう。事件があったらそこだけを追いかける検察とマスコミ。道路公団などの個別の談合事件でお茶を濁すのではなく、巨大な無駄遣い構造である談合システム全体の全面解明をしてほしいものです。それをさせないのが利権構造であるとすれば、あとは有権者が投票によって政治を変え、談合利権を壊してゆくほかありません。今こそ、天下りと談合の癒着のトライアングルを倒幕によってこわすときです。

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