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村上ファンドの村上代表が逮捕された。
ライブドアの日本放送買収計画を事前に知りながら、
その発表前に大量の株式を購入し、発表後株式を売却し
莫大な利益を得たというインサイダー取引違反の容疑である。
村上ファンドが安く購入し高く売却した裏側で、
インサイダー情報とは無縁の一般投資家は、
安く売らされ高値で買わされたことになる。
理論上、村上ファンドがインサイダー情報で得た利益と同額の
不利益を一般投資家が蒙ったことになる。
市場をゆがめ、市場の信頼を裏切る重大な犯罪であり、
逮捕はやむを得ないことである。
しかし、よく考えてみれば、
インサイダー情報で個人的利益を得、
一般の不利益をもたらす行為というのは、
なにも証券取引だけではない。
例えば、政治家が一般国民が知ることになるはるか以前に、
高速道路の計画を入手し、周囲の土地を買った場合はどうだろうか。
事前に情報を知らない土地保有者は、
情報を知っていれば売却しないような安値で、
当該土地の売却を承諾するかもしれない。
そして、その政治家は高速道路効果で値上がりしたところを
売却すれば、利益が転がり込むことになる。
これも、自己の利益のためにインサイダー情報を利用したという意味で
村上ファンド事件と実質的に同罪である。
また、道路公団の橋梁談合のような公共事業の談合なども、
入札情報を知る行政の立場を利用したインサイダー事犯である。
「天下り」は、公表されないインサイダー情報である入札情報を、
自己の再就職を有利に運ぶ結果もたらされるのである。
立場や地位を利用し、公表されない情報を得、
その情報により個人的利益を図る例は枚挙に暇がない。
むしろ、日本の勝ち組といわれる人のなかには、
少なくない割合で、こうした「インサイダー勝ち組」が存在する。
いま、格差社会が言われているが、
汗水垂らしてまじめに働いても「勝ち組」になれない人が
多数存在する一方で、
インサイダー情報を自己の利益のために利用することで、
努力や能力以上のメリットを享受し、
「勝ち組」になるひともいる。
一般に、その情報をもつ人たちが「利権ホルダー」である。
この利権のネットワークが、政治を家業とする議員世襲を
はじめとした「しがらみ構造」により承継されるわけである。
格差社会をどうするか。
努力や能力が報われない社会では、もちろんいけないし、
人口減少社会を乗り越えてゆくことはできない。
ある程度の格差は仕方ない。
しかし、利権としがらみ構造による不公平をいかになくしてゆくかが
最大の問題である。
長年の癒着による利権・しがらみは、
同じ政権下では排除することはできない。
インサイダー国家のインサイドにいる人を変えるしかない。
そのためには、政権交代がどうしても必要になる。
明治維新や終戦の変革は、政権交代がもたらしたものである。
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