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9月26日、安倍内閣が成立した。
自民党の総裁選で圧倒的支持を得て誕生した政権だが、
小泉政権誕生のときのような国民の熱狂はなかった。
「自民党をぶっ壊す」と叫んで圧倒的支持を得た小泉政権は
旧来型自民党政権から力づくでもぎとった政権だった。
自民党支持者だけでなく、利権打破・構造改革に期待した民主党支持層や
政治へのあきらめをもっていた無党派層にも圧倒的に支持され、
それが熱となりエネルギーとなった。
今回の安倍政権には支持率こそ高いが、質的にはエネルギーの伴わない支持である。
ところで、今回の総裁選では大きな変化があった。
密談談合で決められた森政権までは、マスコミが発表する国民の支持率にそれほどは左右されない形で自民党の総裁選びは行われてきた。小泉政権誕生時から流れが変わり、世論の動向が総裁選びの重要なファクターになったものの、実は国会議員レベルではかつての永田町の論理(派閥力学など)はまだ働いていて、最後の最後まで橋本有利がささやかれていた。
しかし、今回の安倍政権誕生の道程では、国会議員レベルの投票動向も早い段階から世論調査に引きずられ、勝馬心理で雪崩現象が起き、「永田町の論理」が崩壊していることを印象づけた。
また、この総裁選で、「永田町の論理」の崩壊とともに浮き彫りになったのは自民党の衰弱なのではないだろうか。政治の専門家である政治家が「永田町の論理」だけでなく、理念や政策までもかなぐりすてて、大衆のバンドワゴン現象(一極集中化現象)にのり安倍支持に動いたのは非常に残念なことだったが、これはある意味、評論家の岩見氏ががインターネット新聞のJANJANのインタビューで答えているように、自民党の衰弱を示しているのかもしれない。小泉政治5年の間に自民党の強力な支持基盤や秩序が崩壊し、集票的にマイナスになった分を「選挙の顔」小泉首相によって穴埋めしてきたという実感に加えて、そのかつての支持基盤に小沢民主党が食い込むのではないかとの恐怖感・危機感が、選挙の顔として人気のある首相を必要とさせ、国会議員が大衆のバンドワゴン現象に乗らざるを得ない状況を作ったものといえる。
『「永田町の論理」と「自民党支持基盤」の崩壊』という小泉政治の遺産を安倍政治がスムーズに引き継ぐのかどうか。小泉構造改革の象徴であるこの2つの崩壊は、自民党という政党の組織としての体質を根本から変化させつつあるが、小泉純一郎という、ある種の天才政治家が抜けたいま、大きなゆり戻しが起こることは間違いない。日本の未来のことよりも自らの再選と利権の維持につとめる「かつての自民党へのゆり戻し」に負けるようであれば、そのとき自民党はさらなる衰弱の道をたどるかもしれないし、無党派層の支持回復を狙う民主党にとっては好機到来ということになる。自民党地盤を守ろうとすればするほど前回の総選挙で支持した顔のみえない無党派層ははがれてしまう、というジレンマに安倍執行部がどう立ち向かうのか。地盤の失地回復を急ぎ、郵政造反議員を大量復党させれば、造反に対する刺客に不退転の覚悟を感じて投票した無党派層を離反させる可能性も出てくる。
一方、民主党は不当な格差拡大につながっている不公正な競争メカニズムの是正をかかげた政策論争を挑んでゆくなかで、サラリーマン層・若年無党派層にアピールし続ける一方、農業分野など小泉改革によって切り捨てられつつあるかつての自民党地盤の支持を得られるよう日常活動を強化してゆく必要がある。そのためにも、利権や世襲や天下りの存在で自由競争がゆがめられていることや、利権のない弱者がいかに不公正な競争にさらされているか、をどれだけアピールできるかが焦点となる。
いずれにしても、自民・民主の体制が改まったこの臨時国会で、流動化しつつある無党派層・一般サラリーマン層の支持獲得競争がはじまる。
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